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野鳥の鳴き声を楽しもう
No42 【シロハラ・アオジ】 ***
報告: 大井 智弘
はじめに
春先になると、北へ向かう冬鳥たちが茂みの中で「ぐぜり」だす。身近な公園で彼らの「さえずり」を聞く機会があるのもこの時期である。今回はシロハラとアオジの春先のさえずりを聞いていただきたい。
1 シロハラ【白腹】 スズメ目ヒタキ科ツグミ属 25cm
シロハラは、冬鳥として渡来し各地の平地から低山の林で冬を越す。林の地上に積もった落ち葉を嘴でかき分けてミミズを掘り出したり、落ちている果実を採食したりする。あまり明るいところには出てこないので落葉をひっくり返す「ガサッ、ガサッ」という音をたよりに探すと見られることが多い。写真①のようにアイリングと下嘴の黄色が目立つ。白っぽい腹をしていることが和名の由来だが、真っ白ではない。
【写真①】2022年4月 さいたま市
【写真②】2022年2月 東京都練馬区
【録音①】2022年3月 さいたま市
18秒
地鳴き「キョキョキョキョ」「シリー」と繰り返す
飛翔時に「ツイー」と鋭い声を出す
警戒時に「パチパチパチ」「プクプクプク」と鳴く
※地鳴きだけではアカハラとの識別は困難
【録音②】2022年3月 さいたま市
40秒
さえずり「キョロンキョロン、チュリーチュリー」アカハラのさえずりと似る
※参照 アカハラのさえずりは
No32
2 アオジ【青鵐】 スズメ目ホオジロ科ホオジロ属 16cm
アオジは、ツグミやシメと同様に都市公園でも見られる代表的な冬鳥である。繁殖期には高原や山地林で子育てをする。越冬地では、やや薄暗い茂みの中や河川敷などのヨシ原、公園の植え込みなどで見られ、特徴的な「チッ」「チッ」という地鳴きが聞かれる事が多い。写真③のようにオスの頭部は黒みのある緑色で、目先が黒い。写真④のメスは頭部に不明瞭な黄色い眉斑がある。体は雌雄とも青というよりも緑色を帯びた黄色である。
【写真③】2021年12月 北本市 オス
【写真④】2021年1月 さいたま市 メス
【録音③】2021年4月 さいたま市
13秒 地鳴き
「チッ」「チッ」と短く区切って鳴く
【録音④】2021年4月 さいたま市
18秒 さえずり
はじめにゆっくりとした「チッチョー」という声が入る
【録音⑤】2021年4月 さいたま市
21秒 さえずり
録音④よりもテンポが速く「ピッチョン、ピッチョン、ピチー」などと鳴く
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