*** 鳥獣保護管理員 ***

 鳥獣保護員・エトロフ小林の 『落書き帳』 第15回
ある参道の事件簿~ヒナが多すぎる ①

ごきげんよう。エトロフです。

 前回ご紹介した参道沿いのササゴイの巣から、南へ数十メートル。同じ参道沿いのケヤキの木に、この夏、ツミも営巣しておりました。このツミのペアは一度、カラスに巣を襲われて失敗。場所を移しての2度目のチャレンジでした。
 
 7月下旬。ちょうどササゴイ一家の事件があった頃です。参道の並木の剪定をしている作業員の一人が、作業中に上からツミの巣を見て、卵が3個あったことを確認したそうです。すべて順調に進めば、この巣から3羽のツミが巣立つでしょう。

 7月28日、第一の悲劇が起こりました。ツミの営巣を観察していたある人によると「孵化したばかりのヒナが巣から落ちて、車に轢かれた」・・・巣立つ予定のツミは2羽に減ってしまいました。

 8月4日。エトロフはこの目で確認しました。母鳥のお腹の下でモゾモゾと動く、真っ白な毛玉。時々黒い小さなくちばしが見えるので、毛玉ではなくてヒナだということがわかります。この様子は孵化して1週間から10日ぐらいでしょう。カメラマンの話では、もう1羽孵化しているとのこと。巣立つ予定の2羽は、今のところ順調です。

 8月5日、第二の悲劇。この日「世界一かわいいビーグル犬のポピー(*)」に連れられて、いつものように散歩に出かけたAさん。参道のツミの巣近くを通りかかったところ、路面にカメラを向けている人がいたそうです。その被写体は、くちばしと脚がついた白い毛玉。ぺしゃんこになっていた、といいます。巣立つ予定のヒナは、これで残り1羽になってしまいました。( *:飼い主の感想です)

 8月15日。 久々にツミの様子を見に行きました。ヒナの全身を覆う真っ白な羽毛に、黒褐色の羽毛が混ざってきました。順調、順調。一羽でもいい、どうか元気に育ってください。

 8月22日。 ヒナはもう巣の外に出ていました。巣の近くの枝にとまり、成長した姿を見せてくれました。よかった!…その時、双眼鏡の視野の隅で、何か動きがありました。ん? なんだ、こりゃあ!? 巣の中でもう一羽、かなり褐色の羽毛が混ざった状態のヒナが、はばたきの練習をしていたのです! なんか、計算が合いません。
さらにその後、もう一羽のヒナが確認されました。結局、この巣からは3羽のヒナが無事に巣立ちました。 

ということは・・・最初にあった卵は3個。その後、天に召されたヒナは2羽。そして無事に育ったヒナは3羽…ヒナが多すぎるのです。もはや、これはササゴイ一家の事件を超えるミステリーです。

次回、謎解きに挑んでみます、いちおう。
 写真提供:大谷泰久

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