** 野鳥の鳴き声を楽しもう No61 【大和葛城山:春の小鳥たち】 **
報告: 大井 智弘

はじめに
 『大和葛城山』は大阪府と奈良県の県境、金剛生駒紀泉国定公園内にある標高959.2mの山である。山頂からは奈良盆地や大阪平野、大峰山脈や台高山脈まで広く見渡すことができる。バードウォッチングに適した低山だと聞き、2024年5月、2025年3月に山頂付近の国民宿舎に一泊して小鳥の鳴き声を楽しんできた。今回は、春の大和葛城山周辺で聞けた小鳥たちの声(さえずり)をお楽しみください。

イソヒヨドリ(メス)
 1 イソヒヨドリ(磯鵯)スズメ目ヒタキ科イソヒヨドリ属 大きさ:23~25cm
 『都会の鳥の生態学』唐沢孝一(著)中公新書によると、「イソヒヨドリが首都圏のビル街で繁殖するようになったのは1980年代の後半から神奈川県内の市街地や山地のダムなどで繁殖し、2000年以降は東京都(多摩区)への進出が顕著になってきた」と書かれている。
 また、「全国鳥類繁殖分布調査」のサイトにはイソヒヨドリは「特にショッピングモールや大型スーパー、倉庫など、イソヒヨドリにとっては「崖」に見えるような場所で見られる」とある。今回、私が録音した場所は大和葛城山へ向かう最寄り駅の奈良県御所(ごせ)駅前の大型スーパーである。 
【録音①】 イソヒヨドリ(さえずり) 2024年5月  10秒
【録音②】 イソヒヨドリ(さえずり) 2025年3月  22秒
(鳴き声の特徴)ヒーチュリツチーチュルリルなど複雑な鳴声で囀る。地鳴きはヒッ、ヒッと鳴く。
 2 キセキレイ(黄鶺鴒)スズメ目セキレイ科セキレイ属 大きさ:20cm
 山中の渓流沿いでは、眉斑と顎線が白く、下尾筒が鮮やかなレモン色をしたキセキレイの姿が見られた。キセキレイは、水辺にいることが多く、特に山間部では普通に観察できる小鳥である。
 今回は、最初、長い尾羽を振りながら歩いていたが、ぴょんと高い所にとまって、見事なさえずりを聞かせてくれた。(左の写真は冬羽)
【録音③】 キセキレイ(さえずり) 2024年5月  10秒
(鳴き声の特徴)最初に「チチチチチ」と鳴き、もう一度「チチチチチ」、間を置いてから「ツリツリツリ」と繰り返す。
 3  春の早朝のコーラス
 大和葛城山は、ロープウェイで一気に頂上まで行けるので観光や山歩きの初心者にもおすすめの低山で、日帰りでも十分に楽しめる。しかし時間に余裕があれば一泊するとさらに楽しむことができる。特に春から初夏にかけての早朝の小鳥たちのさえすりは言葉に表せないくらい素晴らしい。
 最後に、早朝に聞くことができたウグイス、コガラ、ツツドリなどのさえずりコーラスをお聞きください。 
【録音④】 春の早朝のコーラス 2024年5月  34秒
 コガラのさえずり(澄んだ声でヒーチ、ヒーチなどと繰り返す)がメイン

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