** 野鳥の鳴き声を楽しもう No58 【色鮮やかな外来種】 **
報告: 大井 智弘

はじめに
 低山ハイクの途中にガビチョウの声がよく聞こえてくる。しかし、最近は「あ、またガビチョウね」で済まされない気がしてきた。その声の主は「ソウシチョウ」。ソウシチョウの声は、ガビチョウに比べて声の音質が細い感じで、単純な節回しなのだが気を付けないと間違えるような気がしてならない。今回は分布拡大が著しいソウシチョウの鳴き声を聞いていただきたい。
 1 ソウシチョウ(相思鳥)スズメ目ソウシチョウ科ソウシチョウ属 大きさ:14~15㎝
 『全国鳥類越冬分布調査報告2016-2022』(バードリサーチ・日本野鳥の会)には、「ソウシチョウは1980年代から急速に分布を拡大し、2010年代には関東以南にほぼ全面的に分布していた」とある。飼い鳥が野生化し低山や藪のある森林に生息する留鳥となった。ソウシチョウの分布の拡大はウグイス減少の一因となっているようだ。また、ソウシチョウという名前の由来はつがいの雌雄を籠に分けると鳴き交わしすることから「相思鳥」となった。
 2 ソウシチョウの鳴き声
 ガビチョウの声と似ているが、ガビチョウほどの音量はない。また、クロツグミに似た声質とも言われている。囀りを文字で表すのは難しい。地鳴きは大きな声で「ジッ、ジッ、ジッ、ジリリリ」と聞こえる。
 ガビチョウの声は「野鳥の鳴き声をたのしもう」No31の高尾山での録音をぜひ参照していただきたい。
URL : https://wbsj-saitama.org/yacho/koe/31/05.mp3
【録音①】 2024年6月 八王子市高尾山にて  17秒 さえずり

【録音②】 2024年5月 奈良県大和葛城山にて  30秒 さえずり・地鳴き

【録音①】 2024年5月 奈良県大和葛城山にて  24秒 さえずり
       ツツドリ、センダイムシクイと共演

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