** 野鳥の鳴き声を楽しもう No57 【夏の高原でジョウビタキ】 **
報告: 大井 智弘

 はじめに
   2024年8月も猛暑続き、お盆休みに入る前に長野県志賀高原に3日間だけ避難してきた。8月になると鳥たちの囀りの季節はすでに終了していてトレッキングコースを歩いていて聞こえてきた鳴き声は、ウグイス、ルリビタキ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、ホオジロくらいだった。
 早朝、宿舎付近を歩いているとなんとジョウビタキの幼鳥を発見、どうにか証拠写真が撮れて大満足。
2024年8月 志賀高原にて撮影
 1 ジョウビタキ【尉鶲】 スズメ目ヒタキ科ジョウビタキ属 全長:14cm
英名:Daurian Redstart 学名:Phoenicurus auroreus
 10月中旬に渡ってくる冬鳥として人気のあるジョウビタキ、平地でもよく観察でき、また山林の灌木林,農耕地,草原,雑木林などの開けた環境に生息する。4月初旬まで観察ができる。
 鳴き声(地鳴き):「ヒッ、カカカ、ヒッ、ヒッ・・・」と鳴く
 【録音①】 2022年10月 渡良瀬遊水地にて 12秒
 2 日本での繁殖記録
 ジョウビタキの繁殖記録について調べてみると、古いものでは1983年に北海道上士幌町で確認されていたがその後は主だった記録は無かったようだ。ところが2010年、八ヶ岳連峰の富士見高原で繁殖が確認されて以来八ヶ岳周辺で繁殖が継続され、徐々に広域化が進み、標高の高いリゾート地を中心に繁殖例が確認されている。
 2022年には山形県蔵王温泉でも繁殖が確認され空白となっていた東北地方へも拡大していくことが予想されている。詳しくは以下のサイトをご覧ください。
 バードリサーチニュース:「研究誌新着論文:山形県蔵王温泉でのジョウビタキの繁殖記録」
https://db3.bird-research.jp/news/202208-no2/
ジョウビタキの幼鳥の声
【録音②】 2023年8月 長野県北杜市  47秒
「チッ・・チッ・・チッ・・」と大きな音で聞こえる舌打ちをするような声に注目
※ 再生音源にはカワラヒワの「ビ~ン」、センダイムシクイの「チヨチヨビー」、ジョウビタキの成鳥の「ヒッ、ヒッ」などが入っているのでご注意ください。

Top