* * 野鳥の鳴き声を楽しもう No51 【メジロ】 **
報告: 大井 智弘

 はじめに
 2月、早咲きの梅が咲きだした。この時期、「梅に鶯」という言葉は聞かれてもなかなか「梅に目白」と世間では言わない。しかし、バーダーならウグイスではなくてメジロが梅の木に集まって蜜を吸う姿を思い浮かべるはずだ。春先、ウグイスのさえずりはさかんに話題になるが、メジロがさえずり始めるのもちょうどこの時期。今回はメジロの鳴き声を紹介したい。
 1 メジロ スズメ目メジロ科メジロ属 Japanese White-eye 全長:12cm
 和名の由来は「目が白い」ということからきているが、実際は目が白いのではなく、写真のように目のまわりに白い縁がある。シジュウカラ、コゲラ、エナガなどとよく混群している。数羽の群れで秋から冬の柿の木、ツバキなどで見られる。
 全国で留鳥または漂鳥。北海道では、道南以外では夏鳥。かつて夏は山地で繁殖し、冬は平地で越冬していたが、近年は一年中平地で暮らすものが増えている。
 参考文献:『街・野山・水辺で見かける野鳥図鑑』 柴田佳秀 日本文化社 2019年
2 桜も大好きなメジロ
 スズメが桜の蜜を吸い、花びらを落とす行動が注目されるようになったが、メジロはくちばしがスズメよりも細長いためくちばしを花に差し込んで蜜を吸うことができる。さらに舌が長く先端が極細のブラシ状になっているので花を千切る必要がない。(右の写真は河津桜に集まるメジロ)
 参考文献:『カラー版 身近な鳥のすごい食生活』 唐沢孝一 イースト新書 2020年
3 さえずり・地鳴き
【録音①】2021年3月 高尾山 さえずり 25秒
【録音②】2021年4月 さいたま市 さえずり 35秒
【録音③】2022年7月 見沼自然公園 地鳴き 17秒
   「チー、チー、チー」と区切って鳴く
【録音④】2021年1月 さいたま市 地鳴き 16秒
   「キュルキュルキュル」と鳴く 

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