*** 野鳥の鳴き声を楽しもう No36 【カモ類】 ***
報告: 大井 智弘

はじめに
 10月に入り秋の訪れを感じられるようになりました。先陣を切って姿を見せてくれるコガモ、続いてヒドリガモ、オカヨシガモなどの姿が見られだすとさらに秋の到来が感じられる。今回はカモ類のちょっと地味だが知っていると楽しくなる鳴き声を紹介したい。
 1 コガモ
 さいたま市の見沼自然公園での今シーズンのコガモの初認日は9月23日(秋分の日)、2019年は9月21日、昨年は9月30日であったので例年通りのご帰還である。この時期のコガモの雌雄の識別は難しい。写真は、雄がエクリプスから生殖羽に換羽中だと思うのだが確信はない(笑)。
 コガモの鳴き声といってもイメージが浮かばないかもしれないが、雄は「ピリ、ピリ」と笛のような声を出して鳴く。

【写真①】2021年9月 草加市 雄???
【録音①】2021年2月 さいたま市 雄が求愛の時に出していた声  22秒
【動画①】2021年2月 さいたま市 雄の求愛ダンスと鳴き声に注目
 2 ヒドリガモ
 一番手のコガモを追うようにやってくるのがヒドリガモだ。すでに初確認した方も多いかもしれないが、私は9月末に草加市で3羽が羽を休めていたのを観察した。写真のように生殖羽へ換羽し始めでまだ頭部のクリーム色もはっきりしていなかった。
 ヒドリガモの鳴き声の特徴は、雄の「ピューン、ピューン」という大きな声。この「ピューン」という声を聞くと、姿を見なくても存在を知ることができる。

【写真②】2021年9月 草加市
【録音②】2021年1月 草加市 雄の「ピューン、ピューン」  26秒
【動画②】2021年1月 草加市 雄が「ピューン、ピューン」と鳴く
 3 オカヨシガモ
 最後はオカヨシガモ、体全体が灰黒色で地味だが、雄は嘴と下尾筒が黒で派手さはなくても上品な美しさ、シックな雰囲気でセンスの良さが感じられる。1980年代から渡来数の増加傾向が見られだし、普通に見られるようなった。北海道では少数だが繁殖している。
 鳴き声を聞くチャンスはほとんどないが、たまたま求愛のような声を出している所に遭遇して録音することができた。動画はその鳴き声を発していた雄が雌をゲットして寄り添うようにして一緒にいる場面である。

【写真③】2019年1月 さいたま市
【録音③】2021年1月 草加市 雄の「グウェー、グウェー」  15秒
【動画③】2021年1月 草加市 オカヨシガモのカップル成立?

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