*** 野鳥の鳴き声を楽しもう No6 【身近な野鳥たち】 ***
報告: 大井 智弘

はじめに
 今年の春はコロナ禍で外出自粛が叫ばれ、「自然の中でのバードウォッチングに最適な時期なのに遠出ができない」といった会話が聞こえてきた。しかし、私の経験からすると、今まで一度は行きたいあこがれの探鳥地に駆けつけても、その地は完全なアウェーで満足できずに帰って来たことが何度あったことか。コロナ禍で遠出せずに一人で自宅付近の公園を歩く機会が増え、身近な都市鳥と人間の生活が深く関わっていることを再確認できた。今回は、いてくれて当たり前、だが愛してやまない身近な野鳥たちの鳴き声を紹介したい。

1 ヒヨドリ(鵯) スズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属 全長:28cm
 第4回「スマートフォンで録音入門」でも投稿してくれた友人からさっそく第2弾のスマホによる鳴き声録音動画が届いた。お庭でさえずるヒヨドリの鳴き声が新緑の中に響いている。

動画:2020年5月 さいたま市 52秒
 ヒヨドリは、「ヒーヨ、ヒーヨ」と鳴くからヒヨドリと呼ばれるようになったとの説が有力で、平安時代には貴族たちの間で飼われていて親しまれてきた鳥である。
 ヒヨドリは今でこそ一年中見られる留鳥となっているが、東京では昭和30年代頃までは冬鳥であった。
 自宅付近では、ヒヨドリが4月上旬に群れをなして渡っていく姿を何度も確認した。おそらく暑い夏を避暑地で過ごし、10月初め頃に戻ってくる冬鳥の習性の残っている奴らなのだろう。
 鳴き声:「ヒーヨ、ヒーヨ ピックルルルヒッ」「ビーヨ、ビヨ、ビール」など
      「いーよ、いーよ」と聞こえることもある。

 録音 さえずり:2020年5月 埼玉県さいたま市  34秒
2 ムクドリ(椋鳥) スズメ目ムクドリ科ムクドリ属 全長:24cm
 ムクドリも留鳥で、公園の芝生、農耕地などを歩き回り小動物を捕食する。秋には大群となって駅前の街路樹にねぐら入りをしたりする。
 また、ムクドリは果物が大好きだ。桑の木に大挙してすさまじい声で鳴きあいながら実を食べていた所を録音してみた。(スズメ、セッカの声も入っている)
 
鳴き声:「キュル、キュル、リャアー、リャアー」

 録音:2020年6月 埼玉県さいたま市  50秒
 3 ツバメ(燕) スズメ目ツバメ科ツバメ属 全長:17cm
 5月下旬に非常事態宣言も解除されたので約2か月ぶりに電車に乗った。すると、駅前の小さな交番にツバメが営巣していた。動画は少し離れて撮ったので画質は良くないが、ヒナたちが餌をねだる声と成鳥たちの声が録音できた。

 動画:2020年5月 東京都東村山市 1:20秒
 この動画で気になった点がある。それはヒナの所にきた親ツバメ?が餌を与えそうなのだが与えずに、何かを警戒しているように見える。最初は私を警戒しているのかと思ったが、何度も同じ行動が繰り返された。
 これは推論だが、独り者のツバメの雄が他のカップルのヒナを巣から落とそうとして寄ってきて、それを親鳥がガードしている場面であったのではないかと思ったが、どうでしょう?

4 カルガモ(軽鴨) カモ目カモ科マガモ属 全長:61cm
 
 最後はカルガモ。もう5月から6月にヒナたちを連れた姿を見られただけで幸せ。動画は見沼田んぼの水路で偶然出会い、急いでスマホで撮った。
 小さな声で「ピィ、ピィ」と高い声で鳴くヒナたちが親に付いていく様子をご覧ください。
 動画の最後にはもう一家族が現れてビックリ!!

動画:2020年6月 埼玉県さいたま市 37 秒

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