*** コロナが落ち着いたら行きたい魅惑の探鳥地 ***

飛島編 第2話
(遠征時期2016のGW)
文・写真:廣田純平
 新型コロナウイルスの終息が見通せず、不安な日々が続いているなかですが「きっと来年こそは!落ち着いたらあそこに行こう!」と皆様に夢と希望を持たせられることを期待するこの企画。第三弾・飛島の第2話です。2016年のGWの様子です。2016年は私にとって初の飛島で、ワイバードの中野さんのガイドで行きました 。
 2016年は全般的に天気に恵まれた行程でした。限られた期間での渡りの離島でのバードウォッチングは天候が大きな影響を与えます。天気が悪いと鳥の渡りは進まず、島へ入ってくる鳥が少なく、出ていく鳥もいません。結果的に「昨日も今日も見られる鳥は同じ」という感じになります。2016年はほぼ毎日天気が良かったため、鳥の出入りが多く、そのため多くの種類と数が見られました。
 島に到着は午後便。島に着いて早々に向かったのは鼻戸崎でした。島は東西に伸びていましたが、島の一番東に位置する鼻戸崎は、渡る直前の鳥が集まりやすいということでした。下見情報もあり「ヤツガシラがもう今日には渡ってしまいそう」ということで鼻戸崎へ急行。そこへ向かう途中では、ミヤマガラスがいたり、金網にとまるオオルリ、ギンムクドリなどその時点で数々のビックリ。そして、鼻戸崎でヤツガシラを見られて感激でした。

ミヤマガラス  オオルリ 
ギンムクドリ ヤツガシラ
 その後は山グラウンドの裏の森でアオバズクが見られました。島を歩いてビックリするのが、キビタキやオオルリなどの夏鳥がそこらじゅうにいることです。渡ってきたばかりの鳥たちはとても疲れているので、木の上にとまっているよりは、低いところや地面に降りていることが多いことも、渡りの過酷さを感じさせられました。渡りの過酷さを痛感させられたのは1羽のキビタキでした。何かがおかしいと見ると、頭部の羽毛がごっそりとありません…!途中で何かに襲われた、どこかにぶつかったとかでしょうか。こうなりながらも渡ってくることにびっくりでした。 
アオバズク 地面に降りているキビタキ
頭の羽毛がないキビタキ 冬鳥のジョウビタキも
 2日目は朝から島を1周ぐるりとの予定だったのですが、私は謎の体調不良でダウンしてしまい午前中は寝ることに 笑 午後は復帰して校庭に一人で撮影に行きましたが、コホオアカ、キマユホオジロ、ノビタキ、マヒワ、コサメビタキ、キビタキなど、一か所にいるだけでたくさんの鳥が見られました。
コホオアカ キマユホオジロ
ノビタキ マヒワ
コサメビタキ キビタキ
 3日目は早朝から元気にぐるり。1の畑あたりではノジコ、その後の道中でセンダイムシクイやコサメビタキがたくさん。サンショウクイも見られました。
センダイムシクイ サンショウクイ
朝食を食べてから、再度島を回りますがこの日はすごかったです。まずは山グラウンド~畑にかけての森では、シマゴマの声を聞くことができました。どうがんばっても見えない…!藪の中で鳴き続けていてとにかく悔しい…。ヘリポートではブッポウソウがたたずんでいました。久しぶりのブッポウソウに興奮でした!歩き疲れたので、4の畑で休んでいるとアカガシラサギが飛んできてビックリ!そしてマミチャジナイも見られました。情報だけだと、この日はコウライウグイス、オウチュウがいたという情報もありました。
ブッポウソウ アカガシラサギ
マミチャジナイ この日もたくさんキマユホオジロ
 本当ならこの日の午前便で飛島から帰る予定だったのですが、海が荒れていたことから船が欠航。自動的にもう一泊延長ということになりました。しかし、この延長が素晴らしい成果をもたらせてくれることに。。。

 4日目は朝からすごかったです。ヘリポート前でムギマキがずっと出っぱなしで、地面で採餌をしつづけていました。自身初のムギマキで大興奮でした。めちゃくちゃ可愛い!そして校庭では、昨日情報のあったオウチュウが!うわ~!!!すごい!!この日の午前便で帰るわけでしたが、素晴らしいフィナーレでした。
ムギマキ ムギマキ
オウチュウ オウチュウ
 最終日にも渡りの過酷さを思い知らされる出来事がありました。道の脇に落ちているものがあったので見てみると、なんとコサメビタキ。手に持つとまだ少し暖かかったのです…。外傷もないため、きっとおそらく島に辿り着いて、そのまま疲れ果てて死んでしまったのかもしれません。
 初めての飛島でしたが、島ならではの鳥たちにたくさん会うことができ、そして渡りの過酷さを知ることができました。行かないと味わうことができませんが、夏鳥たちがいたるところでうじゃうじゃしている、歩く道の先にキビタキが立っている、1本の木にキビタキ、オオルリが何羽もとまっている、狭い範囲の草地に何種類もの鳥たちが集まって餌を食べている。昨日はたくさんいた鳥たちが今日はいない、代わりに違う鳥たちが来ている。そんな渡りの雰囲気を味わうことができます。全般的に天候が良かったため、鳥たちの出入りが多く、2016年の飛島はとても良い成果でした。

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