*** 探鳥会風景 ***

2/8~9/’25 宮城県石巻市・北上川河口・南三陸町志津川湾探鳥会
報告: 佐野和宏
野鳥写真:山崎慎也、若田部吉一
【1日目】
 定刻に岩槻駅を出発、400km先の北上川河口へ向かいます。宇都宮を過ぎたあたりから雪が舞い始め、あっという間に一面の冬景色。この先どうなるのかと配しましたが、福島を過ぎてからは青空も見えてきました。
 高速を降りたのはお昼過ぎ。北上川沿いを河口へ向かうと、左手の田んぼにはコハクチョウがそこここに、そして右手には水鳥の群れ。スズガモなどに混ざって、ウミアイサやカイツブリ類もいます。そしてヨシ原ではチュウヒも飛んでくれました。
 『石巻・川のビジターセンター』で観察準備を終えて、いよいよ本日の探鳥地・富士沼へ向かいます。この沼は河口から6kmほどのところにあり、低山に囲まれています。観察ポイントに近づくと早くも『オオワシが飛んでいる!!』の声が。
 慌ててバスを降り前方を探すと、確かに低いところをきれいな成鳥が飛んでいます。どうやら魚を捕まえた直後で、ゆっくり食事ができるところを探しているようです。タイミングとしてはまさき奇跡的。地元のバーダーは何時間も飛ぶのを待っていたようです。
 写真で確認すると捕まえていたのは、ヘラブナのような平たい魚です。しばらく優雅に飛ぶ姿を楽しませてくれた後、山の斜面の切り株へ降りて食事を始めました。

 写真:山崎慎也 写真:山崎慎也 
 オオワシの食事中も、沼のコハクチョウやミコアイサ、樹上のノスリ、ヨシ原のジョウビタキやオオジュリンなどが楽しませてくれました。
 カラスに邪魔されながらも何とか食事を終えて飛び立つと、みるみる高度あげていきます。視界から消えるまでしっかり観察して、ここでの探鳥は終了。漁港に立ち寄り宿へ向かいます。


 写真:山崎慎也  写真:山崎慎也


 写真:若田部吉一  写真:若田部吉一
 オオワシと並んで今回探鳥会の目玉は『南三陸ホテル観洋』。ここは県内でも有数の豪華なリゾートホテル。広い館内には大小のホールや志津川湾を望める露天風呂、カフェやレストラン、売店、そしてとカラオケBOXまで。うれしいことにロビーには望遠鏡も置いてありました。
 夕食までの時間を思い思いに過ごし宴会場に集合。Wさんの乾杯の挨拶で夕食が始まりました。目の前にはこれでもかと新鮮な海の幸が並んでいます。名物”鮑の踊り焼”はびっくりするほど柔らかくとても美味でした。


【2日目】
 早朝探鳥は無かったものの、ホテルの周辺で小鳥を探したり、ロビーから湾内の鳥を観察しながら日の出を迎えます。1,000人は入るという会場でバイキング形式の朝食をすませ、いよいよ「志津川湾観光船」によるクルーズという予定でしたが、残念ながら風の予報で欠航となってしまいました。今日のお目当て、コクガンはじっくりと陸から探すことになります。
 2月は個体数が増えるということで、最初の観察地ですぐに10羽程度が近くで見つかりました。遠くには数百の群れも。この日は珍しく一斉に飛んでくれました。 


 海のビジターセンターまで移動しいつものように堤防から湾内を見ていると、突如『オオワシ!!』という大きな声。慌てて双眼鏡を向けると、なんと昨日見た様なようなきれいな成鳥があまり高くないところをが飛んでいます。以前はセンター近くでも見られたとは聞いていましたが。奇跡に近い2日連続のオオワシの登場に大喜びのメインリーダーでした。


 センター隣の津の宮漁港は湾内最後の観察ポイント。小島のウミウやヒメウに加えてミサゴやイソヒヨドリも姿を見せてくれました。
 北上川河口を回って川のビジターセンターまで戻り、今日はゆっくり河口の水鳥を探しているとカイツブリの大きな群れが。群れと言えば「いつものハジロカイツブリ」か、と思っているとどうやら首が長く見えます。ミミカイツブリ?アカエリカイツブリ?


 鳥見はお昼で終了。長い帰路の前に「湖月亭」という地元の名店で、名物のはらこ飯やお好みで海鮮丼をいただきます。味もボリューム申し分なし。道の駅上品(じょうぼんと読む)でお土産を買い込んで高速へ入ります。
 昨晩から豪華な食事続きで、夕食に準備してもらった「すき焼き弁当」はもう入らないと思っていましたが、利き酒セットの残りをいただくと食欲も出てきて完食。少し混むところもありましたが、無事、時間通りに岩槻駅まで到着。
 ご参加の皆様、二日間大変お疲れ様でした。また、企画をしてくれた入山さんには感謝・感謝です!