10/22-23/’22 長野県・戸隠高原探鳥会
|
報告: 菱沼 一充
|
コロナ第7波も収まり、7月の池の平探鳥会に続いて旅割の恩恵にあずかり、宿泊費の割引とクーポンをいただくことができました。まだまだ、コロナの影響が続き、色々な物が値上がりしている時期、ありがたくもあり申し訳ない気分です。参加日までの体調管理をお願いしたおかげか、長野駅に集まった皆さんは顔色も良く、全員平熱で無事探鳥会を開催できました。
1日目
長野駅からバスで戸隠森林植物園を目指します。車窓から色づいた木々やたわわに実ったリンゴを見ながら、バスは高度を上げていきます。飯縄山のカラマツも色づき始めているようです。植物園入口で今日のコースを確認します。ここ数年、メインの探索路は補修が進みましたが、他の探索路は老朽化が進み、ところどころ通行止めになっています。そのため、鏡池へはかなり遠回りとなります。森のまなびやのモミジはほとんど色づいていませんが、カツラはすでに落葉し、香ばしい香りがあたりに漂っています。 |
|
|
最初にみどりが池を観察しましたが、一見していつもと様子が違いました。数羽のキンクロハジロとヒドリガモが入っており、にぎわっています。まだ、エクリプスの装いをしていました。おっと、コガモが1羽、足元から泳ぎだしました。
幸先の良いスタートでしたが、森の中はひっそりとしています。時折、カラの混群に出会いましたが、梢の高い場所でよく見ることができません。遠くから、アカゲラやゴジュウカラの声が聞こえてきます。ツグミの仲間の声はまったくしませんでした。途中、列の後ろ方が遅れていましたが、どうやらキバシリとゴジュウカラが低い位置にいて、よく観察できたようです。
昨年は新雪をいただいた戸隠山に感動しましたが、紅葉はほとんどしていませんでした。今年は程よく紅葉している姿が見られました。対岸の木々が水面に張り出した当たりを望遠鏡で探すと、数羽のオシドリがいました。きれいな雄は少なくエクリプスですが、性別は嘴の色で見らけられます。昼食後に改めて観察すると先ほどより多くのオシドリが見られました(18羽ほどいたようです)。他にはヒドリガモ、ホシハジロ、オオバンなどが観察できました。 |
|
|
鏡池を後にして、随神門へ向かいます。ところどこにあるツルマサキを見てもほとんど実がなっておらず期待薄です。奥社入口のツルマサキにムギマキが来ているようなので、期待しましょう。途中、キツツキの声が聞こえてきました。アオゲラのようです。2羽で盛んに飛び回っていました。随神門の手前にあるイチイには実がついておらず、常連のヤマガラは見ることができませんでした。随神門付近で小休憩後、ムギマキ目当てに奥社鳥居へ、小鳥のこみち経由で向かいます。途中、キバシリを観察します。今回はキバシリをよく観察することができました。先ほどのアオゲラの番(もう一羽?)が大サービスしてくれて、写真にとることができました。 |
|
|
奥社鳥居にはムギマキ目当てのバードウォチャー、カメラマンが集まっています。概ね30分ごとに来るようです。バスの時間まで待っていると、やがて1羽のムギマキがやってきました。雌タイプでしたが、どうにか全員確認できたようです。
今夜の宿は宝光社の武井旅館さんです。お風呂に入ってくつろいだ後は、心の籠った素敵な食事と新そばをいただきました。コロナ禍なのでお酒は控えめでしたが、早速いただいたクーポンで利き酒セットをたしなみました。 |
|
|
2日目
秋は朝食前に宿周辺の農耕地を探鳥します。ここでは、森林植物園に生息していない野鳥(スズメやハシボソガラス、キジなど)に出会えます。出発すると早速、ヤマガラとコゲラが出迎えてくれました。遠くの梢ではカワラヒワとイカルが数羽。今年は田んぼに稲が残っていましたが、背丈が低くて「ひこばえ」かと思うほどでした。どんな品種でしょうか?
電線にはビンズイが止まっていました。植物園でもカケスが多く見られましたが、ここでも元気に飛び回っていました。ホオジロがどこかで囀っていますが、かなり下手な鳴き声です。なかなか見つかりませんでしたが、ようやく梢の中にいる姿が見られました。予想外に時間がかかったため、いつも参拝している宝光社にはお参りできませんでした。 |
|
|
朝食後に森林植物園に向かいます。みどりが池のカモたちにあいさつした後は、奥社鳥居のツルマサキの所へまっしぐら。早速、ムギマキに出会うことができました。園内にトイレがなくなったため、数人が駐車場のトイレに出かけましたが、その間に待望のマミチャジナイがツルマサキの実を食べに出現しました。その後は姿を見せないので、メインの探索路を1周して、ここに戻ることにしました。入口園地を通って、小川のこみちに向かいます。小川のこみちでは、カラの混群が良く観察できました。ミソサザイによく出会う場所なので、注意して進むと「ミソサザイ!」との誰かの声が。残念ながら、数名しか姿を確認することができませんでした。
モミの木園地を過ぎてハンノキ林に入ったとこでキバシリ。今度は目の高さで、姿をよく見ることができました。周囲では、昨日のアオゲラが元気に飛び回っていました。再び、奥社鳥居のツルマサキへ。今度は順光で見やすくなっています。ムギマキ以外にも、小鳥がやってきたので確認するとキビタキの雌でした。バスの送迎時間まで粘りましたが、マミチャジナイは現れず、見られなかった人は残念でした。ここ数年、マミチャジナイに出会うチャンスが少なくなったようです。ミズキやキハダがほとんど実をつけていないためかもしれません。 |
|
|
午後はバスでキャンプ場へ移動します。川のほとりでお弁当を広げると、近くのツルマサキにムギマキの成鳥雄がいました。皆さん、お弁当に気が行ってあまり関心がないようです。昼食後、キャンプ場を一周しようと蕎麦屋さんの前を通りかかると、親切なバードウオッチャーがムギマキ以外にもエゾビタキ等が来ていることを教えていただいたので、その場所へ直行しました。川辺の小さなツルマサキの下にはカメラマンが張り付いていましたので、周囲で一番背の高いツルマサキに鳥たちは集まっていました。ムギマキのほかにエゾビタキ、コサメビタキが混じっていました。川の対岸の梢にアトリの群れも見られ、今回の探鳥会もフィナーレを迎えました。 |
|
|