*** 探鳥会風景 ***

02/02/'20 さいたま市・民家園周辺定例探鳥会
報告: 大井 智弘

 立春間近の2月2日(日)、芝川第一調節池をメインコースとする民家園周辺定例探鳥会が開催されました。当日のリーダー6名を含めて57名の参加があり、風も穏やかな晴天の中をスタートしました。
 芝川沿いは昨秋から河川工事中で、残念ながらオオバン数羽とホシハジロ(メス)が1羽観察されたくらいで野鳥の少ない状態が続いていました。
 池を眺めても野鳥の個体数は例年よりも少ない状態でした。しかし、じっくりと探しているとカイツブリ類ではカイツブリ、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリの3種を確認、人気のミコアイサのオスが見られると歓声があがっていました。マガモはすでにカップルになっているようで2羽で楽しげに泳いでいました。
1.ヨシガモがいる??
 観察を続けていると、下の写真のように遠くのヨシ原の陰で風を除けるようにキンクロハジロとホシハジロの群れがありました。
 するとリーダーのS さんから「群れの中にヨシガモの雄が1羽います、尾羽がカールしている」との声があがりました。みなさん、どれがヨシガモかわかりますか?ヒントは、ヨシガモは後頭の羽が長く、頭の形がナポレオン帽に例えられ、また頭の色が赤褐色と光沢のある緑色、三列風切羽が鎌状に長く伸びているのが特徴です。参加者の皆さんも代わる代わるフィールドスコープで確認すると、ヨシガモがいました。写真真ん中の一番手前で右を向いて嘴を隠している個体です。見過ごしてしまうところでしたが助かりました。改めて細心の注意を払って観察することの大切さを学びました。

2.道路や藪で採食中の小鳥たち
さて周回コースを進んでいくと、道路上で小鳥たちが採食していました。遠くから観察していると上の写真のようにアオジとホオジロでした。近づくと越冬中のアオジの「チッ」という一声の地鳴きが聞こえてきました。
 ホオジロは、まだ2月の初めだというのにもう春のさえずりを聞かせてくれましたが、まだ下手くそ。昨年6月のさえずりと聞き比べてみてください。
●ホオジロのさえずり
2020年1月下旬 録音   2019年6月中旬 録音(
 道路沿いの藪や低木が残っている岸辺では、冬鳥の人気者ベニマシコの声が聞こえてきましたがなかなか姿を見せてくれず、一部の方が確認できただけでしたが、人気では負けないジョウビタキ(メス)が出てきてくれました。
3 猛禽たちが共演
 休憩後の後半に入ると第一調節池らしい北風が吹いて来ましたが、参加者の皆さんが元気に歩いている姿を見るとほっとしました。歩を進めていると、猛禽好きの方お待ちかねのチュウヒがV字型に羽を広げてヨシ原の近くを風に乗って飛翔し始めました。それと同時にもう1羽急降下を繰り返してカモたちをびっくりさせている鳥が見られました。そうハヤブサです。第一調節池ではよく周囲の鉄塔で羽を休めている姿を確認できるのですが、狩りを試みる姿を見られたのは珍しかったです(狩りは失敗でした笑・・・)。
 さらに、風に乗って上空を舞ってくれたのはノスリ。最初は上空高くを飛んでいましたが、だんだんと近づいてきて、腹巻をしているように見える腹から脇腹にかけて褐色の縦斑をはっきり確認できました。また、ヨシ原の中の低木でカワウが営巣している姿が見られました。岸辺では数羽のオオジュリンがヨシの茎の中に潜む虫を捕食していました。

4 鳥合わせでは44種類を確認
 3キロちょっとのコースを歩き終えて民家園に戻ったのは、予定よりも遅く12時近くになってしまいました。恒例の鳥合わせでは、内心目標としていた50種類を超えることはできませんでしたが、カモ類だけでも10種を数え合計44種類でした。

 今回は一般の方々にたくさん参加していただきました。特に親子での参加が多く見られ、ほのぼのとした雰囲気でした。また、元気な小学生達が「また来年、ベニマシコを見に来る」と言ってくれました。
 来年と言わずに是非4月5日(日)の民家園から大崎公園周辺、「開かずの門」で有名な国昌寺方面を歩く「お花見探鳥会」にもご参加くださいと話しました。次回も多くの皆様とお目にかかれることを楽しみにしております。

Top