*** 探鳥会風景 ***

01/04/'20 さいたま市・さぎ山記念公園探鳥会
報告: 大井 智弘

 探鳥会でいい一年のスタートをとの願いも込めて1月4日、毎年恒例の年明け最初の探鳥会がさいたま市・さぎ山記念公園で開催されました。正月三が日開けの4日が土曜日ということもあり参加者が78名を数えました(開会行事の様子は当会のFacebookをご覧ください)。
 暖かい天候に恵まれた探鳥会スタート早々、アカゲラ、ノスリ、ジョウビタキと続々顔を見せてくれました。見沼田んぼを高い位置から見下ろすことができる道を歩きながらヒヨドリ、ツグミ、キジバト、モズ、アカハラと確認されていきました。また、独特の「ギー、ギッギ」というコゲラの地鳴きが聞こえてきたかと思うと低木でドラミングをする姿も見せてくれました。
 東縁の斜面林を下り、見沼田んぼへと歩を進めて行きました。今でも見沼田んぼと呼ばれていますが、土地利用状況は畑が36%を占めて最大で、水田は6%に過ぎません。野鳥の会埼玉の諸先輩方が「以前はこの探鳥会でタゲリが普通に飛んだよ」と話していましたが、畑が増えた今ではなかなかそのような光景は見られません。
 また、「野田のさぎ山」と呼ばれ最盛期には巣の数6,000、親鳥とヒナを合わせると30,000羽を越えることもありました。1952年には天然記念物に指定され、さぎ山を見渡す展望台まで作られて訪れる人々で賑わっていた様子は、現在はありません。時の流れの中で、人口増加に伴う開発が進み、農家の減少による耕作放棄地の増加などで見沼田んぼは大きな変貌を遂げました。しかし、都心からすぐのこの地に点在する緑地や農耕地で最近でも80種類近い野鳥が記録されています。見沼田んぼを小鳥たちのさえずりを聞きながら歩いていると心が癒やされます。
 畑の中を過ぎて加田屋川沿いに進むとアオジ、シメ、カシラダカなどの地鳴きが聞こえて来ました。派手さは無くても見沼田んぼの冬の主役たちです。太陽を浴びたアオジの胸の黄緑がたいへん綺麗でした。
 見沼自然公園のビオトープを探りながら公園内の池へと向かいました。見沼自然公園の池には毎年秋になるとカモたちが渡ってきます。この日も留鳥のカルガモ以外にもオカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、コガモ、ハシビロガモ、トモエガモが確認されました。
 この時期にトモエガモ(♂1羽)がこの池で見られるようになって3年目です。昨年11月初旬に渡って来た頃は左下のようにエクリプス状態でしたが、今は右下のようにたいへん美しくなっていました。内心、「来年はメスも連れておいでよ」といつも願っています。参加者の皆さんにもカモたちの姿を十分に楽しんでいただけたと思います。
 池ではカモだけではなくカワセミも姿を見せてくれました。リーダーをやっているとカワセミが出てくれるとホッとしてしまうのは私だけでしょうか?
 そして、最後にはメジロが椿の花の近くでポーズをとってカメラ好きの参加者にサービスしてくれました。
 鳥合わせでは観察種も45種を数え、新年最初の探鳥会を無事に終えることができました。

 見沼自然公園では3月7日(土)に見沼田んぼクリーン大作戦探鳥会を開催します。公園周辺を探鳥しながら清掃活動を行います。また多くの参加者のみなさんとお目にかかれればと思っております。