*** 探鳥会報告 ***

11/28-29(土・日) 宮城県・蕪栗沼探鳥会
報告:佐野 和宏
11/28(土)
朝7時に岩槻駅を出発し、東北自動車道の長者原(ちょうじゃはら)SAに到着したのはお昼過ぎ。いよいよ2日間の探鳥開始です。高速を降りて、一路、蕪栗沼へ向かうと、左右に田んぼが広がってきます。マガンの姿もちらほら見られるようになりました。

突然、「ハクガン!!」の声。確かにマガンの群れの中に白いガンが1羽混ざっています。バスを停めてもらい全員でじっくり観察できました。このエリアでは数羽程度と聞いていたので、幸先のいいスタートとなりました。

車窓からマガンやハクチョウが採餌しているのを眺めながら目的地の蕪栗沼へ到着。探鳥準備をすませ、土手まで歩きます。
  
周辺には猛禽が多いのですが、特にノスリが目につきます。電柱や木の上、また田んぼにも。これを横目で見ながら土手へ上がると、目の前にはヨシ原が広がり、奥には水面が見えてきました。
  
周囲を観察していると、ガンの群れが編隊を組んで飛んできましたが、よく見ると全部シジュウカラガンです。下見の時も多いと思っていたのですが、その後も大きな群れを何度も見ることになります。後に調べると、沼全体では2000羽を越えていたようです。
  
定点観察を終えて次は沼を一周します。間近にオオハクチョウやオオヒシクイの見られるところがあり、ここではカモ類もよく観察できました。伊豆沼・蕪栗沼周辺はオオハクチョウが多いのですが、よくよく探すとコハクチョウもいます。また、一部の方のみでしたが、ヨシガモやトモエガモも。
  
出発地点まで戻ると聞き覚えのある声が聞こえてきました。オオセッカのさえずりです。春先ならばともかくもう11月の終わりです。調べてみると、少数の越冬個体がいることがわかりました。バンディングの為にテープを流していたものでした。

ねぐら入りを待つ間もヨシ原を低く飛ぶチュウヒや枯れ木にとまるオオタカ、そしてヘラサギなどが次々に現れて、大忙しです。

少し暗くなってくると、いよいよ「ねぐら入り」の始まりです。四方八方から空を埋め尽くすほどの群れで、集まってきます。やはりシジュウカラガンも多く、さらにマガンの群れの中にはハクガンもいたようです。

沼の上でしばらく旋回した後、次々と降りてゆきます。みるみる水面が埋め尽くされていく様子は、何回みても感動するものです。まだまだねぐら入りは続いていますが、真っ暗にならない前にバスへと戻り、初日の探鳥を終えました。
  
【ねぐら入り】
5時すぎには本日の宿、『ロマン館』に到着。ここは『加護坊温泉 さくらの湯』という温泉施設や、物産店が併設されているモダンな感じの宿で、宿泊するとこの温泉が利用できます。ねぐら入り観察で冷えた体を温泉やサウナで温めることができます。
   
  11/28(土)
2日目は早朝5時に宿を出発。蕪栗沼に到着すると遠くからマガンの声が聞こえてきます。月や星座を眺めながら飛び立ちを待ちます。今日は風もなく絶好の観察条件です。薄明るくなってくるといよいよガンの群れが飛び立ち始めました。
   
6時半すぎに朝日が顔を出すと、遠くにオジロワシがとまっているのを発見。リーダー一同、お目当ての登場にホッット胸をなでおろします。早朝にもかかわらずオオタカも飛んでいます。
  
すっかり明るくなってきましたが、採餌場所へ向かて飛び立つガンたちの群れは途絶えません。
   
【飛び立ち】*音量にご注意ください!
宿に戻り朝食をとったのち、最終の探鳥地の化女沼へ向かいます。昨日同様、車中からマガンのなかにハクガンがいるのを発見。今回の探鳥会はシジュウカラガンだけではなくハクガンも大当たりです。

化女沼湖畔の『資料館』でバスを降り、周辺を散策します。ここはガンたちのねぐらですが、昼間の主役はカモたちです。オカヨシガモやミコアイサなど、蕪栗沼にはいなかったものも随分と見られました。そして、ハシビロガモの集団採餌は久しぶりでした
  
記念撮影を済ませ2日間の探鳥は終了。伊豆沼・蕪栗沼探鳥会での初記録7種を含め、計55種の観察となりました。天候にも恵まれ、期待の鳥たちも多く観察できた、大満足の2日間でした。