2015年11月26日午後1 時ごろ、会員のT夫妻により、戸田市内において写真撮影されました。検討の結果、当委員会は334 種目の野鳥として県内野鳥リストに追加することにしました。
観察者によれば、「柿の木に集まる野鳥に交じって1羽で実をついばんでいた。観察できたのはこの日だけだった」 ということです。
ムクドリよりやや小さく、白い雨覆がよく目立つ野鳥ですが、写真を見ると、雨覆の白い範囲が広く、また、三列風切と次列風切の外縁に淡褐色が幅広く残っていることから、これは♂の若鳥であり、中雨覆・小雨覆の換羽が進行中で、その部分に灰白色の羽毛が残つているのではなぃかと思われます。
本種は、数少ない冬鳥もしくは旅鳥として、多くは南西諸島で観察され、関東地方でも記録があります。『埼玉県動物誌』(埼玉県教育委員会1978年
3月15日発行)にも、「岩槻で採集したという♀の1 標本があることを籾山氏が報じているが、これが唯一の記録である」とありますが、これは当委員会が対象
としている1978年 4月以降の記録には含まれません。
なお、上写真の腹部のあたりに、濃い色でぼってり丸く写り込んでいるのは、背景の柿実です。
(『しらこばと』2016.3 No.383,p4 野鳥委員会の最新情報 より) |