*** 鳥獣保護管理員の落書き帳 ***

 鳥獣保護員・エトロフ小林の 『落書き帳』 第18回
レジ袋の功罪 ~使ったオレが悪いのか それとも?~

ごきげんよう。エトロフです。

 新型コロナウイルスで、たいへんな状況になってしまいましたが、最終的に頼れるものは自分の免疫力。免疫力を高めるには、十分な栄養と休息はもちろん。それに加えて適度な運動と精神的ストレスの軽減。こういう時こそ、身近なフィールドに出て、自然をのんびりと楽しみましょう。

 前回はSDGsについてご紹介しました。知らなかった!という方がいて、ちょっとがっかりでしたが、知っていただけたということで、まぁ、よかったかと…
 あまりのボリュームに気がめいって、説明を省いた「169のターゲット」について、わかりやすく解説してあるサイトを教えていただきました。
https://chubu-sdgs.com/sdgs-goal17-target169/

 さて、地球環境保全のために自分でもできることから…となると、まず思い浮かぶのが「ペットボトル買うのやめて、マイボトル持ち歩き」と「レジ袋もらうのやめて、エコバッグ持ち歩き」が双璧でしょう。

 マイクロプラスティックによる海洋汚染が問題化したこともあり、レジ袋を有料化するお店が増えていますね。エトロフ家御用達のスーパー、マ〇エツ大宮大和田店も4月1日から有料になります。
 ところでお店もらったでレジ袋、どう使っていますか? まさか、これをお読みのみなさま方の中には、その辺にポイ!という方はいませんよね?
 エトロフ家では「ゴミ袋」として使っております。キッチンの壁につけたフックにレジ袋をひっかけて、調理で出たゴミをポイポイと。一杯になったら、ルールに従って「燃えるゴミの日」にゴミステーションへ。 他にもそういう方が多いのではないでしょうか?

 とすると、レジ袋がなくなると困りませんか? はっきり言って、我が家では困ります。基本的にエコバッグ(昨年のみぬまフェスで購入した、消しゴムはんこの鳥たち満載のもの、下の写真…ワインは別売、猫、非買)を使っていますが、レジ袋も、ゴミ袋として必要な枚数を確保しています。有料になっても買わざるを得ません。


 ゴミ袋として使ったレジ袋は回収されて燃やされるのですが、そもそも何が問題なのか? 昔はレジ袋を燃やすと有害な物質が出てくる、といった問題がありましたが、最近ではレジ袋の素材も改善されているようです。袋にわざわざ「燃やしても有害物質は出ません」と印刷してあるものもあります。
 
 市町村によっては有料のゴミ袋を指定しているところもあります。この市町村ご推奨ゴミ袋だって、素材的にはレジ袋と大差ないのではないでしょうか? 回収して燃やすことに問題があるのなら、レジ袋だろうが有料のゴミ袋だろうが、一緒なのでは?

 マスコミでレジ袋問題が取り上げられる際に気になるのは、この点なのです。だったら、ゴミ捨てはどうしたらいいの? 生ごみやら何やら、どうやってまとめればいいの? エトロフの知っている範囲では、納得のいく答を聞いたことがありません。 

 …これって、おそらく、キッチンに立った経験も無いような政治家のオジサンたちが、「我が党だってSDGsとやらに取り組んでいるんだ」という姿勢アピールのために議論しているから? とまで疑りたくなるのですが…

 ゴミ出しの朝、突然に! ゴミ袋として使われたレジ袋の問題点がわかってしまいました…と言っても、我が地区のゴミステーションを使っている限り、気がつかないことだったのです。この日はたまたま、ゴミ出しのあと、ちょっと用事があって隣りの地区へ行ったのでした。 

 そこで繰り広げられていたのは、S宿御苑の“桜を見る会”も、かくやと思われるカラスたちの大宴会。カラス除けネットの下から引きずり出されたゴミ袋は、親の仇でもここまでやるか?というぐらい破られ、引き裂かれ…残飯は飛び散り、異臭を放つ。ゴミ袋の破片は風に舞い、自然環境の中へ紛れ込んでゆく…

 ちなみにエトロフ家御用達のゴミステーションは、こんな感じです。近所で造園業を営む方が、仕事で手に入った板や金網などで作ってくださったものです。お世話になって9年経ちますが、カラスたちがたむろしているのを一度も見たことがありません。


 マイクロプラスティックによる環境汚染問題の解決は、何と言っても使い捨てプラスティックを減らすことですが、それと同時に必要なのは、意外にもカラス対策なのではないでしょうか?
 エトロフがもし、さいたま市会議員だったら、市内のすべてのゴミステーションを、写真のような小屋タイプに変えます! タラレバ言っても仕方がないので、さっそく次の市議選に立候補しよう!…てなキャラじゃないことはせずに、知り合いの市会議員さんに相談してみよう!

 ところでレジ袋をゴミ袋として使うようになる前には、専用のポリバケツを使っていました。そんな昔のことではなく、おそらく1990年代初めごろまでは、少なくとも実家(東京都23区内)ではポリバケツでした。

 ゴミの日の朝、一杯になったポリバケツを所定の場所に置いておく→業者が中身のゴミを回収→空になったバケツを引き取るというシステムでした。バケツにはでかでかと名前を書いておきますが、それでも時々間違えられる。夕方、バケツを取りに行くと、よその家のバケツがポツンと1個だけ。「また〇〇さんちだよ」「あの奥さん、ボケたんじゃないの?」などとブツブツ言いながら、〇〇さんちのバケツを持って帰り、〇〇さんちに文句を言うこともせずに、次のゴミの日まで何事もなかったように使う。
 時はバブル最盛期。着飾ったおねえさんたちが、ディスコのお立ち台で巨大な扇を振り回して踊っていた頃、同じトーキョーの片隅で、こんな牧歌的なゴミシステムが機能していたんですね…

 ところで実家では、生ごみはもちろん、散歩で回収したワンコのウ×コまでポリバケツに入れていました。使用後は水洗いする程度。洗剤やら消臭剤やら使った覚えがありませんが、真夏でも臭いが気になることがなかったなぁ…バケツの置き場は屋外、屋根無しの駐車スペースの片隅だったので、臭いがこもらなかったのでしょう。

 これは一戸建てだったからこそ出来たことで、気密性が高く、スペースに余裕のないマンションではゴミ用ポリバケツとの共棲は無理です。これだけマンションが増えてきた今では、もはやポリバケツの時代には戻れません。

 画期的なゴミ回収システムが開発されるまで、ゴミ出しには、レジ袋あるいはそれに類するもののお世話にならないといけないのです。そして、役に立ってくれたレジ袋が、親の仇のようにボロボロにされないために、海に流れ出てマイクロプラスティックとなって魚に食べられ、それが再び私たちの口に入って健康を害されないようにするためには、しっかりしたカラス対策が不可欠なのです。
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