*** コロナが落ち着いたら行きたい魅惑の探鳥地 ***

奥日光編
文・写真:廣田純平
新型コロナウイルスの終息が見通せず、不安な日々が続いているなかですが「きっと来年こそは!落ち着いたらあそこに行こう!」と皆様に夢と希望を持たせられることを期待するこの企画。今回は第四弾として「奥日光」をご紹介します。
「奥日光なんて紹介されなくても知ってるわ!」と言われてしまうかもしれませんが、あまりにも島ばかりの投稿でしたし、昔からこよなく愛する奥日光を紹介しないわけにはいきません!私がよく行くのは5~7月にかけてです。鳥だけではなく、花や景色も楽しめる奥日光ですので、それぞれの月にわけてご紹介します。

 奥日光と言っても、場所は広く、オススメしたい場所はたくさんあります。ですが、その中で私の定番コースは湯滝~赤沼まで森と戦場ヶ原を抜けていくコースです。「湯滝~湯川~泉門池~青木橋~自然研究路~赤沼」と普通に歩けば2~3時間。鳥を見ながら歩けば、だいたい半日で歩けるコースです。
  戦場ヶ原 周辺コース(ハイキングMAP)
 このコースはスタートの湯滝付近は森ですが、泉門池を過ぎてからは戦場ヶ原が広がるため、環境の変化が大きく多くの種類の鳥を見ることができます。行く際は車でいくため、朝7時前に赤沼に着くようにします。始発のバスで7時過ぎに赤沼発のバスに10分程度乗り、湯滝入口で下車します。歩いて数分で湯滝前展望台に到着。さてここからスタートです。

【5月】
 5月上旬は奥日光にも夏鳥が飛来する時期です。2018年に行った際には、湯滝周辺にキビタキ・コサメビタキがうじゃうじゃいました。そして湯滝周辺ではミソサザイの声が響き渡ります。ご注意なのが、奥日光はGWでも雪が降ります。2018年に行った時は、雪にまではなりませんでしたが、みぞれが降ってきてビックリでした。
湯川沿いではキビタキ・オオルリ・コサメビタキ・キバシリなどが見られ、泉門池付近までそんな環境が続きます。

キビタキ

オオルリ

コサメビタキ

ミソサザイ

キバシリ

ニュウナイスズメ
泉門池を越え青木橋からは戦場ヶ原の湿原の中を歩きます。5月上旬はまだ戦場ヶ原の緑は少なく寂しい感じもしますが、すでに夏鳥たちは来ています。気持ちよく囀っているビンズイ。そして木道周辺の木々ではノビタキが来ています。運が良ければ、ズビズビ鳴きながら上空でディスプレイフライトをするオオジシギの姿が見られることも。

戦場ヶ原

ビンズイ

ノビタキ

オオギシギ
奥日光は5~7月にかけてたくさんの花が咲きます。5月上旬はアカヤシオ、中下旬からはトウゴクミツバツツジやシロヤシオが見頃です。
【日光湯本ビジターセンター・日光の花々】
http://www.nikkoyumoto-vc.com/nature/flower.html

【6月】
 6月は、5月に紹介したコースと同じコースを歩いても、景色は大きく変わり緑が増え花盛りの季節です。私が6月に奥日光に行く時は、どちらかというと花がたくさん咲いている大好きな景色を見に行くのが目的でもあったりします。鳥たちの様子も変わっていて、営巣中やもうすでに雛が生まれていたりします。過去に訪れた時は、運よくミソサザイの巣立ち雛に会うことができ、可愛すぎて倒れそうでした…!!

元気に囀るミソサザイ

可愛すぎるミソサザイの雛…!

尾羽が短くて可愛い…!  

可愛すぎて泣ける…
戦場ヶ原に来ると、ズミが綺麗に咲いています。私はこの季節が大好きです。ズミはリンゴに近い種類なのですが、蕾の時はピンク色・咲くと白く、木の中での咲き具合でグラデーションがあったりと見ていてとても綺麗です。ズミの木によっても咲くのが早い・遅いがあるので、訪れた日でもズミの様々な表情を見ることができます。
もうひとつの見どころはワタスゲです。名前のとおり先端に綿がついているような花で、6月中旬~下旬にかけて戦場ヶ原一面に広がっています。すごい景色です。
こんな綺麗な景色が広がっている戦場ヶ原で、ノビタキやホオアカが見られます。
子どもの頃から奥日光に行っていますが、昔と比べると鳥の数が減ったと感じています。特にホオアカが見づらくなった気がします。それからオオジシギの数は激減といってもいいかもしれません。子供の頃は戦場ヶ原の木にとまって鳴いているのをよく見ましたが、ここ最近は見られたらラッキーくらいです。
時間がある場合は、赤沼から低公害バスに乗り、千手ヶ浜まで行きます。6月中旬は千手ヶ浜でクリンソウが見頃です。千手ヶ浜から見る男体山も絶景です。
【7月】
 7月に行く場合は下旬に行くことが多いです。この時期はノアザミとホザキシモツケが咲いていて、6月の戦場ヶ原とは違った景色が見られます。ホザキシモツケの群生地では、ノビタキの子育てを見ることもできました。
 ホザキシモツケの上で給餌 ノビタキ一家 
今回は湯滝~戦場ヶ原のコースを中心にご紹介しましたが、奥日光は他にも魅力的な場所がたくさんあります。湯の湖周辺もバードウォッチングに最適ですし、小田代ヶ原も景色がよく鳥も楽しめます。竜頭の滝では年間を通してカワガラスが見られます。季節が秋になれば、紅葉が楽しめますし、冬になれば年によっては珍しい冬鳥が戦場ヶ原周辺で見ることもできます。

【お役立ちリンク】
日光自然博物館(https://www.nikko-nsm.co.jp/
湯元ビジターセンター(http://www.nikkoyumoto-vc.com/
湯滝レストハウス(http://www.yutaki.com/

ご注意:2020年6月25日時点で一部区間は台風の影響で通行止めとなっています。湯本ビジターセンターのホームページ等から最新情報をご確認の上、お出かけください。

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