*** 探鳥会風景 ***

11/25-26/’23 宮城県・伊豆沼&蕪栗沼探鳥会
報告: 野津 弘毅

 国内有数のマガン越冬地で、早朝、夥しい数のマガンが次々と飛び立っていく”マガンのねぐら立ち”を見ることができる宮城県の蕪栗沼。その大迫力の光景をまた見たくて、かの地で実施される探鳥会に参加しました。蕪栗沼での探鳥会に参加するのは2年ぶり3回目です。

 さらに今回探鳥会は、蕪栗沼のマガンのねぐら立ちに加え、志津川湾ではコクガンを探し、伊豆沼ではマガンのねぐら入りを観察し、女川町離島航路ではカモメの仲間、カモの仲間等海鳥を探す、という超豪華な夢のような探鳥会です。

 また、南三陸さんさん商店街、いしのまき元気いちばといった地元の大型観光施設でのお買い物、昼食のクジラ料理もこの探鳥会の魅力でした。このような探鳥会を企画してくれたリーダーの方々に感謝です。

<1日目>

 電車で間に合わない方のために当初予定を15分遅らせて午前6時45分に東武アーバンパークライン 岩槻駅に集合。バスで岩槻インターチェンジから、東北自動車道、三陸沿岸道路を走り、最初の目的地、南三陸・海のビジターセンターを目指します。昼食は持参の、あるいは休憩で立ち寄るサービスエリアで購入した弁当を移動中に食べました。

 私は入山メインリーダーおすすめの”幻のクリームメロンパン”、それから”あだたら山メロンパン”を安達太良サービスエリアで食べました。

 岩槻駅(後方)とバス

 安達太良SAで食べたメロンパン
 志津川湾に面する南三陸・海のビジターセンターに到着。センター裏手の護岸上あるいはセンター内の2階テラスからコクガンを探します。

 いる!何十羽もいる!でも・・・ちょっと、とっ遠い!!

 センター西側にコクガンの群れを見つけましたが結構遠くて、それでもスコープや双眼鏡で埼玉県では見られないコクガンをしばし必死に観察しました。

 ここで入山メインリーダーが皆の物足りない雰囲気を酌んでくれて予定表になかったBプランを発動。滞在時間は短かったものの同じ志津川湾のさわやか公園前にも寄り、ここではコクガンを間近で観察することができました。

間近で見たコクガン 

満足してバスに戻る参加者
 コクガンを見た後は、地元の大型観光施設、南三陸さんさん商店街でお買い物をして、蕪栗沼と並ぶ国内有数のマガンの越冬地、伊豆沼に移動。

 伊豆沼では主に伊豆沼野鳥観察館屋上からマガンのねぐら入りを観察しましたが、私はマガンが沼に戻ってくる間にちょっと時間があったので、観察館からちょっと離れたところでヒシクイ(亜種オオヒシクイ)とオオハクチョウを特に間近で観察しました。

 そしてちょっと暗くなってから、断続的に沼の反対側から大挙してマガンが飛来。時折ハクガンも混じっており、暗くなって寒い中、皆で熱狂してスコープ、双眼鏡でハクガンを追いました。

伊豆沼野鳥観察館屋上の参加者

ヒシクイ(左)とオオハクチョウ

 マガンのねぐら入り

なんとか撮ったハクガン(中央やや上)
 伊豆沼のあと、ホテルで荷物を降ろしたら懇談会を兼ねた夕食を皆でとり、そのあとリーダーの部屋で会費を払って1日目の日程を終了。翌朝の出発は早いので早めに寝ます。

<2日目>

 2日目最初のイベントはいよいよ蕪栗沼へ。朝5時15分ホテル入口集合で蕪栗沼へバスで移動。バスを降りてから沼堤防上の観察場所までは真っ暗なのでヘッドライトあるいは懐中電灯で進みます。日の出6時29分のところ5時45分には観察場所で待機。マガンの鳴き声を聞きながらマガンが飛び立つのを息を凝らして待ちます。ただ幸い少し雲が出ていたせいか寒さは、厳しい、というほどではありませんでした。

 そしてついに響き渡る羽音と鳴き声とともに断続的にマガンの群れが”ねぐら立ち”を開始。飛び立つ都度歓声が上がります。特に一段大きな群れの飛び立ちがあり、入山メインリーダーよりこれほど大きな群れのねぐら立ちは毎回見られるわけではない、とコメントあり。

 寒さも時間も忘れて待望のマガンのねぐら立ちを堪能しました。

 ちょっと心残りは明るくなったら希少種のシジュウカラガンをしっかり撮影しようと私は思っていましたが、明るくなったときにはシジュウカラガンはいなくなっていました。

バスを降りたところ

沼堤防上でねぐら立ちを待つ

マガンのねぐら立ち!

水面を埋め尽くすマガン

シジュウカラガン

オオハクチョウ
 マガンのねぐら立ちを堪能したあとはホテルに戻って朝食。バイキング形式時の私の常で食べ過ぎましたが、昼食の量がちょっと少な目だったので、結果オーライでした。

 朝食後、ホテルをあとにしてバスで女川港に移動。

 蕪栗沼を中心にした探鳥会では初めての試みという船からの探鳥です。女川港から高速貨客船”しまなぎ”で江島(えのしま)まで行って降りずに女川港に戻るという女川町離島航路で約1時間半、カモメの仲間、カモの仲間等海鳥を探しました。

 港内でウミネコ、トビ、スズガモ、カンムリカイツブリなどを見たあと、いよいよ乗船。
高速で走る船からの観察で鳥も遠かったので、私は写真をよう撮りませんでしたが、シノリガモ、クロガモ、ハジロカイツブリ、イソヒヨドリなど観察しました。

乗船前の探鳥(後方が”しまなぎ”)

港できれいに撮れたトビ

船からの探鳥の様子

同じく船からの探鳥の様子

景色もきれいでした

東北電力 女川原子力発電所
 船からの探鳥のあとは地元の有名店、日本料理 瑞幸で、昼食になんとクジラの刺身とタタキを食しました。美味しかったので私はこのあと寄った大型観光施設、いしのまき元気いちばで、クジラ肉をお土産に買いました。

 そしてお店の前の高台から、本探鳥会最後の探鳥を実施。カワラヒワが結構何度も姿を見せてくれたほか、ミサゴ、トビなどにも会いました。

瑞幸のクジラ料理定食

瑞幸前からの探鳥の様子

カワラヒワ

魚を掴んだミサゴ
 昼食後はバスの中で鳥合わせをして、高速道路で一路、解散場所の東武アーバンパークライン春日部駅へ。予定よりやや早い午後8時50分に着いて解散です。

 2日間、事前には雪の予報があったにもかかわらず概ね天気にも恵まれ、多彩な鳥に接し充実した探鳥会となりました。メインリーダーの入山さん、サブリーダーの佐野さん、菅野さん、櫻井さん、参加の皆さん、有難うございました。また来年も宜しくお願いします。

 最後の写真は、解散が遅い時間だったのでバス内で食べるべく配付されたそば寿司と、サブリーダーの菅野さんに頂いた梨を含む私のお土産です。ベテランリーダーの佐野さんから本探鳥会風景の執筆を仰せつかった新人リーダーの菅野さんが、「野津さんの文章が好き」と言って、なぜか私に探鳥会風景執筆を依頼してきました。梨は執筆を引き受けた”お礼”ということで頂きました。

夕食用に配付されたそば寿司

頂いた梨とその他のお土産