*** 探鳥会風景 ***

05/21-22/‘22 長野県・戸隠高原探鳥会
報告:浅見 徹
写真提供:菱沼一充、近藤龍哉
 2019年を最後に、春の戸隠はコロナ禍の影響でずっと中止でした。今回も、まだまだ感染防止に心を砕きながらの少人数での開催となりました。
 5月21日(土)、長野駅の新幹線改札近くの広場日集合したのは総勢15名。戸隠常連さん、久々にお会いする懐かしいお顔、それにコロナ禍以降に入会された方々と3分の1ずつくらいでしょうか、平均年齢はコロナ前に比べて少し若くなったようです。これは、最近のどの探鳥会でも見られるうれしい傾向です。「埼玉on-line野鳥フォーラム」を切っ掛けに入会してくださった参加者もいました。「しおり」の配布と説明、それに健康チェックを済ませ、宿のマイクロバスに乗り込みます。今年の戸隠は雪が多かったせいで、植物の成長が遅れ気味とのこと。車窓から見えた水芭蕉の群落や、咲き残った八重桜に歓声が上がります。北からの寒気の侵入で、不安定な天候です。いつもですと戸隠森林植物園に直行するのですが、途中、大座法師池に寄ってから宿舎の「武井旅館」に向かいました。ここで荷を解き、観察道具だけを持って周辺での探鳥です。時々雨がぱらつく中、残雪の戸隠連峰や山里の鳥たちを楽しんでいると、灰色の空の下に大型の猛禽が現れました。幅広の翼に長めの尾羽、「クマタカ!」と色めき立ちましたが、どうやら渡ってきたばかりのハチクマのようです。何度も上空を旋回してくれました。道端には、オドリコソウ(ヒメが付かない)も。
長野駅コンコースに集合 途中、大座法師池で  武井旅館に到着 
宝光社周辺の山里で探鳥 クマタカ!? ハチクマでした 道端にオドリコソウ
 
 再び宿へ。持参の弁当で昼食を済ませた後、いよいよ戸隠森林植物園に向かいました。園内は、土曜日で雨模様のためか、人はまばらでゆったりと探鳥ができました。
戸隠森林植物園入り口 新しい木道 手すりが無くて・・・ ノジコ? アオジ?
 
水芭蕉の群落 ミズバショウ リュウキンカ
 
 園内の木道は修理・更新中で、いくつものルートが通行禁止になっていました。鏡池に行くルートも使えず、入り口園地にあったバイオトイレも撤去されていました。仕方なく、随神門から奥社に向かって杉並木の参道をしばらく登った所にあるトイレに寄り、そこでUターンして入り口広場へ。雨具を手放せない一日でしたが、鳥は色々出てくれました。
奥社参道の杉並木 遠くに随神門 ノジコが何度も 何度も
 ノジコがきれいな声で囀っています。ゆっくりしたテンポのアオジの囀りも。入り口広場で至近距離から大型ツグミ独特の艶のあるテノールが聞こえてきました。クロツグミではない、アカハラでもない、とHリーダーが「マミジロ!」。近くの木の上、枝の間を動き回る姿が見えますが、曇天、空抜けでシルエットのみです。それでも、至近距離で聴くその声の迫力がスゴイ。宿の迎えのバスが来る時間が迫ってきました。未練いっぱいでみどりが池方面に向かうと、何とマミジロが我々の後を追うように鳴きながら移動してきました。「いた!」、目ざといY君が見つけました。残念、私は今度もシルエットのみ。Y君はしっかり白い眉斑を確認していました。迎えの時間が気になってみどりが池を足早に通り過ぎようとすると、オシドリの番が飛んできました。これは見ないわけにはいきません。美しい銀杏羽のオスと寄り添うシックなメスの羽衣を皆でじっくり鑑賞しました。
 宿に戻って、温泉で疲れをいやし、江戸時代創建の歴史ある大広間でまばらに席をとり静かに食事。地酒の聞酒セットを楽しむ人たちも。Hリーダーご夫妻の嬉しそうな顔。いいね!
みどりが池にオシドリ飛来 大広間にまばらに席をとり 聞酒タイム
 翌朝の探鳥に備えて、10時前には就寝。夜中から明け方近くまで、外は土砂降りの雨。でも、集合時間の4時半が近づくころにはほとんど止んで、宿の門前に。と、そこに「キョロロ・・・・・・」!! えっ、ホント?! 我が耳を疑りましたが、間違いなし。宝光社の方向から4声ほど確認できました。声だけですが、探鳥会の記録に載るのは何年ぶりでしょう。宿のバスで早朝の森林植物園へ。雨が降ったりやんだりする中、みどりが池の立ち枯れの木にアカゲラ! 木道の手すりにミソサザイ!! ノジコの囀りも何度も観察。
早朝宿の前
直前にアカショウビンの声
みどりが池にアカゲラ飛来 木道手すりで囀るミソサザイ
 いったん宿に帰って朝食。身支度を整えて、三度 森林植物園へ。このころにはすっかり雨も上がり、時々初夏の日差しが照り付けるようになり、閉じていた花が一斉に開き始めました。今年は少ないなと感じていたキビタキも、ようやく姿を見せてくれるように。
三度目の植物園
もう雨具は要らない!
気温も上がり花々も開花 やっとキビタキ
 午前中は森林植物園でいろんな鳥に出会えました。ゴジュウカラ、キバシリ、オオアカゲラ、アカゲラ、クロツグミ等々。声だけですがカッコウやツツドリの声も森の中に響いていました。奥社入り口のトイレに立ち寄ると、今日も上空を2羽のハチクマがゆっくりと帆翔してくれました。
ハチクマ1羽目 ハチクマ2羽目 キセキレイ 近くに巣?
 宿のバスでキャンプ場へ。お弁当を受け取り、思い思いの方角を向いて草地に座って昼食。とそこへ、「何か飛んできた!」と、またまた目ざといY君の指さす方向を見ると、コムクドリの番のようです。今度は、「猛禽!」の声に慌てて弁当を置き双眼鏡で姿を追うと、ノスリのようです。落ち着いて弁当を食べている暇もありません
キャンプ場の草地で昼食 枝越しにノスリ! キャンプ場内での探鳥
 キャンプ場での探鳥を終え、14時過ぎに宿に戻って鳥見終了。大満足の二日間でした。

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