*** 探鳥会風景 ***

5/31-6/01’19 埼玉Young探鳥会 三宅島
報告:廣田 純平

埼玉ヤン探初の三宅島。参加者はほとんどが三宅島が初めての方で、そして若い女性やご家族が中心の参加者となりました。
金曜夜に竹芝桟橋へ集合し、行程と留意事項等のガイダンス。そして乗船し、レインボーブリッジを抜けていざ三宅島へ。
朝5時前に三宅島に到着。早朝バスで伊豆岬へ向かいます。周辺の森をぐるりと回りながら伊豆岬へ。まずはバス停付近でオーストンヤマガラが迎えてくれました。「大きい!」「茶色い!」など本土のヤマガラとの違いに歓声があがりました。周辺からは「チョリチョリチョリチョリ...」とイイジマムシクイの声がたくさん。そして時より「オォォ-ウ オォォ-ウ」とうなり声のようなカラスバトの声、「キュリリリリ-ン」とアカコッコの囀りも聞こえます。次に現れたのはシチトウメジロ。「少し嘴が長い」と本土との違いを実感できました。ミヤケコゲラ、イイジマムシクイも何度か見られました。
木の上に黒く大きいものが!カラスバト!しかも複数!ここらへんが好きなのか、合計4羽見つけられました。伊豆岬の灯台脇の東屋では、アカコッコ館による「ウチヤマセンニュウ観察会」が開催されていました。この日は西から4?5mの風が吹いており、そのせいでウチヤマセンニュウはやや少なめ。それでも東屋の前では縄張り争いをするウチヤマセンニュウが度々追いかけあいしたり、潅木にとまって囀ってくれたりしました。独特な声が頭にこびりつきます

さて、伊豆岬から大路池へバス移動です。砂利の車道を歩いて、大路池北側の桟橋を目指します。タネコマドリが度々囀り、モスケミソサザイの声も聞こえます。途中で出会ったのは、巣立ち雛を連れたオーストンヤマガラ。まだ雛の色は淡く、餌をねだる可愛い姿にみんなメロメロでした。途中、アカコッコが何度か見られるもみんな一瞬で飛ばれてしまい、しっかり見ることができません。大路池北側桟橋へ着くと、気持ちの良い風が通り抜け、開放的で綺麗な景色を堪能しました。帰り道でもオーストンヤマガラの親子やシジュウカラの親子に出会えました。
次はアカコッコ館に入場です。到着すると、我々の頭の上を越えて、アカコッコ館の水場に飛んでいくアカコッコの姿が…!よし!とにかく入場!水場へ!観察スペースから、アカコッコの姿をしっかり見ることができました。やったー!その後はアカコッコ館入り口にもアカコッコが現れこちらでも観察。アカコッコ館の名前効果すごい!
アカコッコの観察後は、アカコッコ館の解説員の方に三宅島がどんな島か、どんな鳥が見られるかのパネル説明をいただき、2000年の噴火の記録映像も見させていただきました。それからは観察スペースで水場の観察。シチトウメジロやイイジマムシクイ、オーストンヤマガラが水浴びに何度も来てくれました。じっくり観察会できるこのスペースは参加者の皆さんから大好評でした。

そんな中、今日の入港先が決定。錆ヶ浜港からの出港となったため、11時半でアカコッコ館を出発。うーん…名残惜しい…
港でお昼を食べたり、三宅島名産のパッションフルーツを使ったアイスを食べたり、お土産を買ったりと、出港までそれぞれで過ごしました
さて、あっという間に出港です。帰りの船ではどんな海鳥に会えるでしょうか。
出港すると、たくさんのオオミズナギドリが浮いていたり飛んでいたり。この日は波も穏やかだったため、船の揺れが少なく、オオミズナギドリをじっくり観察することができました。そんななか、船の進行方向を見ると、海を出入りする黒い影…!クジラ!?
見ると20頭近くのクジラの仲間の群れが背びれを出したり、ブローしたり。これには全員できゃーきゃー歓喜の声が上がりました。いったい何のクジラ…?ゴンドウ系…?など推測が飛びました。
(クジラに詳しい方に写真を見せたところ「コビレゴンドウ」とのことでした!ヒレの先端が少し鉤型になってるのが特徴だそうです!)
航路は鳥も楽しみですが、こういう鯨類との出会いも嬉しい出会いです。
その後はオオミズナギドリが中心でしたが、黒っぽい海鳥を発見!アナドリだ!上面にフラッシュと呼ばれる茶色いラインがくっきりと見れました。アナドリはその後も数回現れて4羽見ることができました。その後、トウゾクカモメ類と思われる鳥が出るも、終始後ろ姿だけしか見えず、種判定不可…うーん…悔しい…

あっという間に館山が見え東京湾内を進んでいきます。このままで終わらずに何か出てくれないかなぁと願っていると、ハシボソミズナギドリが立て続けに出てくれました。うち1羽は海にプカプカ浮いたまま通り過ぎていきました。日が沈む頃まで見ていた参加者はその後も5羽見ており、東京湾内に入ってから10羽くらいのハシボソミズナギドリが見られました。
弾丸ツアーもあっという間に終わり。竹芝桟橋に到着し、鳥合わせです。短い時間であるため、種数こそ29種でしたが、島ならではの主要な鳥たちと海鳥、そして鯨類との出会いと、濃厚な時間となりました。参加者の皆様から「また三宅島に行きたい!」という声が聞けて嬉しい限りです。

 【写真】
カラスバト、ウチヤマセンニュウ、アナドリ、ハシボソミズナギドリ、コビレゴンドウ:スタッフ撮影
イイジマムシクイ、ミヤケコゲラ:参加者 小林様撮影
アカコッコ:参加者 平田様撮影

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